第113号 大切な一期一会
皆さんもご存じのように、今年は沖縄よりも早く九州が梅雨入りしました。誰もが感じるように、地球規模で何かが変わっているようです。
本題に入りますが、作家の堂場瞬一は、次のようなことを小説の中で書いています。「前を向け、新しいものは足元ではなく、必ず前にあるのだから」…いかがですか。
嫌なニュースの多い時代だからこそ、下を向かずに前を向いていたいと、私は思いました。
初めの詩は、目が見えなくなり、できなくなったことばかりに目を向けていた私を反省し、作った詩です。どうぞ読んでください。

〈目を失くし・できることできないこと〉

昔から好きなことが
沢山有った
山や森の中を
気ままにドライブすること
近くの海に行き
のんびり釣り糸を垂れること
陽光を全身で受け止めて
公園や早しを逍遥すること
巨人戦を観戦すること
推理小説や時代小説を読むこと…
私は目を失くした
人生が変わった
車や単車の運転は
諦めた
海釣りもやめた…
それでも
できることは増えた
ヘルパーさんや妻から
力を借りて
行きたい所へはどこへでも行ける
読みたい本は
ボランティアの方が 音訳してくれる
国の施設で学んだことで
できることが断然増えた
パソコンを
使えるようになったこと
白杖を目の代わりにして
街を歩くこと
障害者向けの
グッズを用いることで
生活範囲は広がった
なににもまして
鍼師・灸師・あん摩マッサージ指圧師の
国試に合格できたことはありがたく
今はそれを生業(なりわい)にしている

※ 国試(こくし):国家試験の略。

▽ 私は、人生の途中で見えなくなった人たちを訓練してくれる国の施設と出会い、人生が大きく変わりました。これも一期一会でしょうか!
次の詩は、見えなくなり、悩みぬいた末にたどり着いた心境を、詩にしたものです。
どうぞ読んでください。

〈風は吹く〉

風は吹いた
花びらは舞い上がった
目は失くした
迷いに迷った結果
生きることを選択した
生きることを続けることで
何かが変わる
と感じた
継続が力であるならば
この道を
進んで行けば
風を捕まえることもできる
そう信じよう
と決めた
決めたからには
最後まで行こう
たとえ
恰好が悪くても
人から
認めてもらえなくても

▽ 私は、妻をはじめとし、多くの方たちの励ましや助けによって、今日(こんにち)があると考えています。
今回も、最後までお付き合いくださりありがとうございました。
石田眞人改め小澤真人でした