第112号 親の愛
突然ですが、愛とは、なんだと思いますか。愛するとは、どんなことだと思いますか。皆さんは愛について考えてみたことはありますか。
私がまだ、若くてピチピチしていた頃読んだ本に『愛とは、与えるだけで見返りを求めないことだ』と書いてあったことが何十年たっても忘れられません。
初めの詩は、父を想って作ってみました。父は釣り好きで、特に鮎釣りに魅せられていたようです。利根川では毎年6月には鮎釣りが解禁されるので、5月も半ばすぎると、そわそわしていました。そんな父を思い出して作った詩です。
どうぞ読んでください。

〈君の未来はそこにある〉
昼間の星は見えないけれど
煌煌として確かにそこにある
ブルースカイの向こうに隠れて
いまかいまかと出番を待っている
・・・
そよ吹く風は見えないけれど
凛然として確かにそこにある
迷う僕の背を押して
一歩踏み出す勇気をくれる
・・・
亡くなった父母も祖父母も見えないけれど
冴え冴えとして確かにここにいる
冷え切った僕の心の中を
灯(ともしび)ともして温めて(むくめて)くれる
・・・・
神も仏も見えないけれど
昂然として確かにここにいる
明日の見えない僕に寄り添って
行くべき道を照らしてくれる
・・・・
僕の未来は見えないけれど
燦燦として確かにそこにある
君にも僕にもあなたにも
手ぐすね引いて明日は待っている

▽ 本の受け売りばかりで恐縮ですが、有る本に『親が子を愛する愛ほど尊いものはない』と書いてありました。
次の詩は、とにかく人に何でもあげてしまう父を沁みしてみました。
利根川で釣った鮎もウナギも、畑でとれた西瓜も葱も、みんな人にあげてしまうのです。
では読んでください。

〈父を想うとき〉

あなたは
どんな人にでも
慈悲深い目を向けていました
穏やかでいて情熱にあふれ
田畑を耕し
家畜を育て
見知らぬ人にでも
喜んで
分け与えていました
私は感じるのです
あなたが永遠に
私の心にいるからこそ
毅然として生きて行けるのだと

▽ 手前味噌で申し訳ありませんでした。皆さんも、忘れられない思い出は沢山あることと、推察いたします。
今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。
石田眞人改め小澤真人でした