第八十九号 それぞれの生き方
去年の6月15日のパソコンニュースに『最近は、皆勤賞を取りやめにする学校が増えている』という記事が載っていました。そのニュースに付属するコメントに「休まず学校に通う価値も意味も分からない」と言っている人がいました。
これはジェネレーションギャップだとは思いますが、あえて反論させてもらうと、「休まず学校に通い続けるためには、健康を損なわないように気を付けたり、雨の日も暑い日も、うまずたゆまず、学校への道のりを歩き続けなければならず、そこには、それ相応の、頑張り屋努力が必要であり、そこにこそ皆勤賞の価値がある」と思うのです。
その子たちの一所懸命さがそこには表れているのではないでしょうか。
ところで、作家の浅田次郎さんは「今は『一生懸命』と言うが、本来はその意味からして『一所懸命』と言うのが正しいのだろう」と言っています。その心は『人は、一所(ひとところ)に懸命に生きる・つまり、人は自分の領分に懸命に生きるということ・ひとりひとりが己の領分を懸命に生きてみんなの力が合わされば大きな力になる・であるべきだ』と言うのでした。
では、私のできることはなんだろうと考えた時に、東洋医学(鍼灸マッサージ師)の知識と、10年間の経験を用いて、困っている人たちの身体を癒すことではないかと、思い至ったのでした。
初めの詩は、どんな人にも、欠点もあればすぐれているところもあるはずです。も
ちろんこんな私にも、少しは良いところもあるはずだと思い、作ってみた詩です。コンプレックスのない人はいないと思います。
しかし、時と場合によっては、人と比較することはナンセンスだと思うこともあります。どうぞ読んでください。

〈あなたの素敵なところ〉

俺の数少ない良いところ
何を食べても
美味しそうに食べる
瓶牛乳の早飲みなら
誰にも負けない
髪を短く刈り揃えていて
ドライヤーは必要なく
電気代を節約できる
手は小さいが
肉付きはよく柔らかで
肌はすべすべしていて
誰もが握りたくなる手を持っている
母譲りの正義感は
良くもあり悪くもあり
・・・・
あなたの素敵なところ
話す声が可愛らしく
風になびく黒髪は美しく
唇は艶やかで
優しい瞳は星にも勝り
心は思いやりに溢れ
いくつになっても気持ちは若々しく
挑戦しようとする姿勢を持ち
容姿は端麗で
スッと伸びた足は美しく
立ち居振る舞いは
満開の桜のような気品を思わせる
特に素敵なのは
生き方を追求する姿勢である
・・・・
あいつの好いところ
男気があり
弱い者は助け
少しだけ偉そうで
口の悪いところはあるが
見た目だけはさっぱりとしていて
仲違いをしても
後を引くことはなく
車の運転は乱暴だが
女性には優しく
ジャイアンツが好きで
野球に詳しく
知人にだけではなく
誰にでも親切だ

▽ ジャイアンツが好きなことが良い点だというのは、私の個人的な好みなのでお聞き流しください。
もちろん、他の球団を応援することを含め、何かに熱中することはとても良いことではないでしょうか。
話は変わりますが、プラス思考を心がけていないと、いつの間にか、人の欠点や、いやなところばかりが目につきます。時には色々と、良いところを見つけてみたいと思う私でした。
次の詩は、人の営みや、自然現象を含めすべてに無駄はないのではないかと思い、作った詩です。どうぞ読んでください。

〈俺の心は晴れのち晴れ〉

雨には雨の
花には花の
役割があり
空には空の
山には山の
風が吹き
春には春の
秋には秋の
香りがあり
俺には俺の
君には君の
顔がある
みんながみんな
同じじゃ困る
それだから何も気にせずに
今日も明日も明後日も
俺の心は
晴れのち晴れ

▽ 最近では、「この世の中に偶然はない。総てが必然である」と言う声をよく聞くようになりました。皆さんはどう思いますか。
60歳を過ぎてから、それぞれの生き方、考え方を認めることができるくらい、度量の大きな人間になりたいと思うようになった私でした。
今回も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
石田眞人でした