皆さんは、欲望をを持つことは悪いことだと思いますか。ひとことで、欲望と言っても様々ですが、誰もが持つ欲望の中に『共感してほしい』という気持ちがあります。ところが実際に心から共感してもらえることは、稀ではないでしょうか。そもそも、共感してもらいたいと願うことは、過分な欲望なのかもしれません!?
私は、自身の本音であればある程に、共感してもらえないと感じています。
光陰矢の如しと言いますが、63年の歩みを振り返ると、まるで超特急新幹線よりも早い、リニアモーターカーのような速さで歳月は過ぎて行きました。そうして、年を重ねる度に、本音は云わなくなってしまった私がここにいます。
船橋で働いている頃、お世話になった船橋市選出の千葉県議会議員は「自分の信念や、理想を言っても、全く関心を持たない人にとっては、馬耳東風なのだよ」と言って「人を見て話す内容や話し方は変えなくてはいけない」と言っていました。
それから「それこそ反感を持たれてしまうと痛い目に合うよ。猫に小判を投げれば爪を立てられ、豚に真珠を与えれば噛みつかれるようにね。ちょっと言い過ぎかな?!」とも言っていました。
正論であればあるほどに、大切なことであればあるほどに、話す相手を見極める必要があるのではないでしょうか。
私は、人間関係を築いていくうえで、人生の大先輩が言ったその言葉を、常に心に留めています。10人いれば10通りの考え方があって当たり前だと思えば、気にならないですよね。それでも、共感してくれる人がひとりでもいると、天にも昇るほど嬉しいものです。
私が幸せなのは、こうして、全国ベーチェット協会・視覚障害者支援センター熊谷のご厚意で、私の感じていることを、発表してくださる機会を与えてもらっていることです。
次に「黙殺する」という言葉もよく知られていますが「黙殺」を違った言葉で言うと「無視」という言葉になります。
ある人は言いました「いじめの中で一番辛いのは、無視されることだよ」とです。
たまたま私が見たテレビ番組の中で、被災した男鹿半島のある女性は、こんなことを言っていました。
「思われるだけで嬉しい、想われることが幸せ!暖かな気持ちになれるから」
いかがでしょうか。皆さんはこれを聞いて何を感じましたか。私は、胸が締め付けられるようでとてもやるせなくなりました。
やはり、お互いに思いやることが大切なのですね…!?
初めの詩は、自分自身の嫌いな性格を直そうと、頑張る様子を書いてみました。まだまだ治らないのですが、努力は続けていきたいと思っています。
どうぞ読んでください。

〈嫌悪〉

すぐに切れる
何かと腹を立てる
イライラを
胸や腹の中に収めきれない
それでも
見ざる聞かざる云わざると
己に言い聞かせ
怒りを治める努力はしている
・・・・
嘘をつく人
自らの言動に
責任を持たない人
己の過ちを糊塗して
正当化する人
そんな人に会うと
腹が立つ
腹が立った時
それを態度に出さない努力をする
態度に出してしまうと
自己嫌悪に陥ってしまうから
自分自身に腹が立ってしまうから
自我を治める努力をする
・・・・
すぐに切れる
何かと腹を立てる
イライラを
胸や腹の中に収めきれない
それでも
見ざる聞かざる云わざると
己に言い聞かせ
これからも
怒りを治める努力は
間断なくしていくつもりだ

▽ 私は本が好きです。そうして、本を読みながら、感動したり腹を 立てたりするのです。
腹を立てることが多いということは、自分にも、同じ悪質があると言えますね。
それを思うと、私にはいやな性格が多いようです。一生かかっても、直くしたいと思います…?!
次の詩は、国リハ(コクリハ:国立障害者リハビリテーションセンター)でのことです。
一年間、慣れない医学関係の勉強をして、初めての春休みでした。ふと心の力が抜けた時、春休みには、家に帰ろうかな?と思った瞬間を、詩にしてみました。
どうぞ読んでください。

〈迷い悩んで〉

新一年生になって
もうすぐ初めての春休み
夏にも冬にもお正月でさえも
里には帰らず
リハの寮に残って
期末試験の勉強に励んだ
春休みには帰ろう
いやいや
帰らずにリハで復習をしようか
どうしよう
どうしようかな
ここが思案のしどころだ
どうでもいいようなことに
時間を費やす
平和だからこそ
安らかだからこそ
平安だからこそ
小さなことに
心を遊ばすことができる
三月の昼下がり
・・・・
ある日春なのに
雪が積もり
白く染められた街を
眺めながら
友が言った
「この次の土曜に食事に行こうよ」と
クラスメイトは
二つ返事で了解した
参加人数
五名
うち下戸二名
さてどこに行こうか
中華にしようか
焼き鳥屋で飲むか
居酒屋に腰を据えようか
それとも蕎麦屋
あるいは美味しいカレーショップ
占い上手なお婆ちゃんのいる
お好み焼き屋さんにしようかな
どうしよう
どうしよう
どこにしようかな
ここが思案のしどころだ
どうでもいいようなことに
時間を費やす
平和だからこそ
安らかだからこそ
平安だからこそ
小さなことに
心を遊ばすことができる
三月の昼下がり
・・・・
立春も
とうに過ぎたのに
春一番のニュースさえ
聞こえてこない
陰陰滅滅とした
屈託を抱えて
重苦しい心に
北風が吹き
身も心も
凍りついてしまったある日
ふと友の顔が浮かんだ
「そうだ電話をしてみよう」
どうしても声が聴きたい
携帯電話を手にして
俄に考えた
「待てよ…ひょっとして仕事中かもしれない」
今は やめておいた方がいいかな
どうしよう
どうしたらいいかな
かけようか
やめようか
ここが思案のしどころだ
どうでもいいようなことに
時間を費やす
平和だからこそ
安らかだからこそ
平安だからこそ
小さなことに
心を遊ばすことができる
三月の昼下がり
・・・・
生きていればこそ
迷いもすれば 苦悩もする
悩み多き年ごろなのだ…
そんなわけないか…
それでも今は
生きている
生きていられることが嬉しい

▽ 国リハの周囲には、誘惑されそうなお店が豊富です。
国リハの広大な施設から西門を出て一歩足を踏み出すと、そこにはもう、親切な女の子の店員がいるコンビニがあります。
少し東へ歩くと大きな唐揚げが山盛りな「唐揚げ弁当」のおいしいお弁当屋さんがあり、駅に向かい少し歩くと本格カレーのお店があり、信号を渡ると、一枚食べたらやめられない黒コショーせんべいのあるお店があり、駅近くには餃子のおいしい中華屋さんがあり、駅の入り口には分厚いロースかつのお持ち帰り専門のとんかつ屋さんがあり、駅の向こう側には大きな肉を串刺しにして、香ばしく焼いた串焼き屋さんなどなどがあります。
ある小料理屋さんで食べた、ゆでた落花生は絶品でした。
今回は最後まで、食べることばかりを書いて失礼しました。
石田眞人でした