オリジナルの「メリーポピンズ」をご存知の方が多いと思いますが、2月1日から公開されている「メリーポピンズ リターンズ」をご覧になりましたか?

何故この場で、「メリーポピンズ リターンズ」の話なのか?それは何故かというと、我々が仕事を通してやっていることとメリーポピンズが映画の中でやっていることに共通点がある!と感じ、言葉にしてみようと思ったからです。

我々はメリーポピンズのように魔法を使うことはできないけれど、視覚障害となった当事者に対して、もうできないと二の足を踏んだり諦めていることを、あの手この手を尽くしてやり方を変えればもしかしたらできるかもしれない、と提示しています。不可能と思っていることがもしかしたら可能もしれないよ、と。

そして、決してあれやれ!これしろ!と強制しないこと。価値観の転換を図るのは当事者であって、それは強制ではなく自分自身で自覚して初めて成り立つこと。あれこれ経験を積む中で、これならできるかも!やってみよう!と、自分で感じ取ること。訓練って、そう思わせる為の「ファンタジー」なのかも知れません。歌って、踊ったりはしませんが。

もしかしてできるかもしれない、やってみよう!という思いさえ持ってもらえれば、どうすれば可能になるのか自ら考えて行動するようになってきます。そうなれば、しめたもの。そろそろ訓練も修了の頃を迎えます。

そして別れの時。メリーポピンズはその時を知り、別れの挨拶をすることもなく自ら風に乗って去っていきます。その胸に去来するものは何かを思うと、涙を禁じえません。必要がある時に必要としてもらえればそれで良し。時が経てば一緒に過ごしたことの記憶も薄れ、忘れていく。でも、必要な時にはここにいるから!それだけ思い出してくれれば…。

余談ですが、筆者は友人から「メリーポピンズ リターンズ」の原作本を昨年の年末にもらいました。ただその原作本は英語で書かれていて、英語のできない筆者にとってはただの迷惑でしかない!と、思ったのですが、これも何かのきっかけと、二十年ぶりに和英辞典と向き合い、公開される2月1日までには読み終えようと、挑戦しました。と、同時にサントラ盤も貰ったので、メリーポピンズ リターンズの毎日を過ごしていました。昨年150本くらいの映画を見ましたが、これだけ心待ちにして映画の公開を楽しみにしていたのは初めてでした。しかも、苦手なディズニー映画でミュージカル。残念ながら、公開までに読み終えることはできなかったのですが、1冊読みきった時、自分にもできるんだ!と自信になりました。だから今は、友人に感謝しています。この機会を生かして頑張ったのは筆者ですが。そして、ちゃんと訳せるように、今は文法の勉強をしています。また、映画は3回見ましたが、3回とも始まったとたんに涙腺崩壊となり、最初から最後まで号泣していました。